各作品へのコメント

■『適切な距離』

物を語る行為に傾倒しすぎたあまり瞬間や偶然のエモーションを無くしてしまうようなことが作り手にはしばしばあるけれど、大江監督は実に巧くバランスをとる。その色気は前作「美しい術」を経てますます洗練されたよう。母と子の断絶と交譲を適温で見つめる目。撮影の功績も大きい。久々に見返したいと思った映画だ。

(脚本家・向井 康介)

■『聴こえてる、ふりをしただけ』

私も昔、少女だった。みんな昔は、子どもだった。あらゆる大人がなぜ昔、子どもじゃなくちゃいけなかったのか。今泉さんの辛く優しい視線を通して、その答えがちゃんとこちらに伝わってきました。

(映画監督・横浜 聡子)

■『聴こえてる、ふりをしただけ』

少女は何を想っているのか。静謐さと不意の爆発の中で、「心の中は嵐」という感覚がとても丁寧に描かれていたように思います。

(ライター・森 直人)

■『新世界の夜明け』

アジアを漂流する映画難民リム・カーワイ。大阪、東京、北京、上海、香港…。
会うといつも楽しそうに映画の夢を語っていたっけ。長編第3作『新世界の夜明け』はなんと娯楽大作だった!皆で一緒に彼の夢を楽しもう!
(映画監督・奥原 浩志)

■『新世界の夜明け』

自分だけの「新世界」を見つけるために、人は漂流するのかもしれない。

どこへ辿り着いても、必ず夜は明ける。

混沌の中に差す、小さな明るい光が、まばゆくて。

何かを、誰かを、ただ信じたいと想った。

(女優・プロデューサー・杉野 希妃)

■『大野リバーサイドパーク』

「バッシング」や「PASSION」を見て好きになった占部房子さんの迫真の演技に圧倒された。ある著名な監督も言っていたが、やっぱり映画には毒が必要で、孤独を表現するためにあるのかもしれない。
(映画監督・今泉 力哉)

■『スクラップ・ファミリー』

父親、母親、姉、弟という生身の人間たちの家族と、リアルドールという作り物の女性と暮らすおじいちゃんと、どちらがほんとうの家族なのか?いや、そもそも「ほんとうの家族」って何なのだろうか?『スクラップ・ファミリー』という映画が問いかけているのは、多分、そのことだろう。

(映画監督・大森 一樹)